再転相続における相続放棄の熟慮期間の起算点について
祖父が亡くなり、その後、祖父の相続人である父が、祖父の相続につき承認または放棄をしないままに亡くなり、自分が祖父の相続人になったようなケースを再転相続と言います。
今回は、再転相続における相続放棄の熟慮期間の起算点について、解説していきたいと思います。
再転相続における熟慮期間の起算点
上記の事例でいくと、再転相続の熟慮期間は、「相続人が、父の死亡と、自分が父の相続人になったことを知ったとき」から起算します。
再転相続人は、祖父の相続人である父の相続人でもあるため、父が祖父の相続について承認または放棄できる期間(祖父の相続についての父の熟慮期間)を、そのまま引き継ぐようにも思われますが、これでは、再転相続人の熟慮期間が、あまりにも短くなりすぎることから、このような法律になっています。
再転相続が発生した場合の、再転相続人の選択
再転相続が発生した場合、再転相続人がとりうる行動としては、以下の8パターンが考えられます。
(1)①祖父の相続については承認 ②父の相続についても承認
(2)①祖父の相続については承認 ②父の相続についても放棄
(3)①祖父の相続については放棄 ②父の相続についても承認
(4)①祖父の相続については放棄 ②父の相続についても放棄
(5)①父の相続については承認 ②租父の相続についても承認
(6)①父の相続については承認 ②租父の相続についても放棄
(7)①父の相続については放棄 ②租父の相続についても承認
(8)①父の相続については放棄 ②租父の相続についても放棄
この場合、(7)と(8)のパターンは認められません。
というのも、再転相続人が、父の相続について先に相続放棄をすると、父が有していた祖父の相続について承認または放棄をする権利を相続することができないからです。