相続放棄の注意点
相続放棄前に、亡くなった方の資産を処分してはいけません。
相続放棄をする前に、遺産を売却したり、消費したりすると、法律上、当然に相続を承認したことになり、相続放棄することができなくなってしまいます。
遺品整理の際に、資産価値のない物品を処分する程度は問題ありませんが、資産価値のある遺産の処分は、相続放棄の可否にかかわってきますので、資産価値のある遺産の取り扱いについては十分注意してください。
相続放棄すると、預貯金や不動産などのプラスの財産も相続できません。
相続放棄をすると、借金や未払い金などのマイナスの財産のみならず、不動産や預貯金、株式などのプラスの財産も相続することができなくなります。
マイナスの財産だけを放棄するということはできません。
そのため、プラスの財産があると見込まれる場合には、慎重な判断が必要となります。
相続放棄すると、相続人の地位が次順位の相続人に移転します。
たとえば、第1順位の相続人である被相続人の「子」が複数人いる場合に、子の全員が相続放棄すると、第2順位の相続人である被相続人の「直系尊族(親、祖父母)」が、子に変わって相続人となります。また、この直系尊族も相続放棄した場合には、第3順位の相続人である被相続人の「兄弟姉妹」が変わって相続人となります。
このため、連絡がとれる次順位相続人に対しては、予め自分が相続放棄する事情を伝え、一緒に相続放棄の手続きをするのも良いでしょう。